事務代行の報酬の決め方:成果物のない業務の数え方

事務代行の報酬は、成果物の価値ではなく、毎月の作業に対して支払われます。何を数えて報酬にするか、数え方が崩れる場面をどう扱うかを、先に決めます。

トップページ › 事務代行の報酬の決め方:成果物のない業務の数え方
請負型の雛形の検収条項が残ると、成果物のない業務の報酬が、検収待ちを理由に支払われなくなることがあります。

このページの要点

  • 準委任の報酬は特約があって請求でき、期間で定めたときは期間経過後が原則(民法648条)。
  • 月額・時間・件数・日額のどれかを選び、単位の定義(1件の意味、数える時間)を書く。
  • 上限・超過・繰越・資料の遅れによる翌月処理の数え方を、あらかじめ書いておく。
  • 費用の負担、消費税を含む額か含まない額か、報酬の遅れによる一時停止と再開の手順を決める。

結論:成果物のない業務は、何を数えて報酬にするかを先に決める

事務代行やオンライン秘書の報酬は、成果物の価値で決まるのではなく、毎月の作業そのものに対して支払われます。そこで契約書が決めなければならないのは、何を数えて報酬にするのか(月額、時間、件数、日額のどれか)と、その数え方が崩れる場面(上限を超えたとき、資料の遅れで処理が翌月に回ったとき、繁閑の差が大きい月)の扱いです。ところが、成果物のある業務の雛形をそのまま使うと、「納品」「検収」「無償の修正」といった条項が残り、報酬が何と結び付いているのかが読み取れなくなります。

民法の準委任では、受任者は特約がなければ報酬を請求できず、報酬は事務を履行した後に請求するのが原則です。期間によって報酬を定めたときは、その期間を経過した後に請求できます。つまり、報酬の額、数え方、支払の時期は、契約書の特約で決めて初めて、請求の根拠になります。決め方があいまいな契約では、報酬の請求そのものが不安定になります。

  • 報酬の単位は、月額、時間、件数、日額の四つから、業務の性質に合うものを選ぶ。複数を組み合わせるときは、業務ごとにどの単位を使うかを書く。
  • 月額の契約でも、作業量の上限と、上限を超えたときの扱い(追加の報酬、翌月への繰越、断る権利)を書く。
  • 資料の遅れなど、任せる側に原因がある遅れで処理が翌月に回ったときの件数の数え方を書く。
  • 立替経費、交通費、ツールの費用は、誰が負担し、どう精算するかを、報酬とは別の項に書く。
  • 報酬の支払が遅れたときの業務の一時停止と再開、支払期日の定め方を書く。

このページは、5つの軸のうち「報酬」を掘り下げます。業務の範囲との関係は業務範囲のページ、終了時の報酬の清算は終了・引継ぎのページ、お金を預かる運用の統制はお金の扱いのページで扱います。税の扱いは書かず、報酬の額が消費税を含む額か含まない額かを契約書に明記する点のみ触れます。

準委任の報酬の原則と、成果に対する報酬との違い

まず、報酬に関する民法の定めを確認します。次の条文は、その要旨です。

準委任の報酬に関する条文(要旨)

民法648条1項

受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。

民法648条2項

受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。ただし、期間によって報酬を定めたときは、民法624条2項を準用する(期間によって定めた報酬は、その期間を経過した後に請求することができる)。

民法648条3項

委任者の責めに帰することができない事由によって履行ができなくなったとき、または委任が履行の中途で終了したときは、既にした履行の割合に応じて報酬を請求できる。

民法648条の2

委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合、その成果が引渡しを要するときは、報酬は成果の引渡しと同時に支払う。

民法634条

請負で、仕事の完成前に解除された場合などに、可分な部分の給付で注文者が利益を受けるときは、その割合に応じて報酬を請求できる。

ここから読み取れる実務上のポイントは三つあります。第一に、報酬は特約があって初めて請求できるので、契約書に報酬の定めがない関係は不安定だということです。第二に、月額のように期間で報酬を定めたときは、期間が終わった後に請求できる、つまり後払いが原則だということです。前払いにしたいときは、そのように書く必要があります。第三に、履行の途中で契約が終わったときは、既にした履行の割合に応じた報酬になるということです。月の途中で終わったときに、月額の全額か日割りかは、契約書の書き方で結論が変わる論点になります。

そして、民法648条の2のように、成果に対して報酬を支払う約束を準委任に組み込むこともできます。バックオフィス業務では、毎月の集計表や報告書のように成果物が出る部分については、成果型の報酬の考え方が当てはまります。ただし、成果物が出る部分と出ない部分が混在するときに、すべてを成果型にすると、成果物のない部分の報酬が検収待ちで止まるなど、運用が窮屈になります。業務ごとに、時間・件数で数える部分と、成果型の部分を分けて書くのが、実務的です。

報酬の単位:月額・時間・件数・日額の比べ方

報酬の単位は、業務の性質に合わせて選びます。次の表は、一般的な傾向を整理したものです。どの単位にも、向く業務と、崩れやすい場面があります。

報酬の単位の比べ方

単位向く業務決めておくこと崩れやすい場面
月額毎月ほぼ同じ量が続く定型業務、窓口対応の待機月に対応する業務の範囲と上限、上限を超えたときの扱い、日割りの有無繁忙月に作業が増え、閑散月は余る。上限がないと、頼む側が増やし続ける
時間量にばらつきがあり、作業の内容が多様な業務時間の数え方(実作業時間か待機時間も含めるか)、記録の様式、単位(○分ごと)、月の上限作業時間の把握が難しく、記録をめぐる不信が生じる。効率が良いほど報酬が減る
件数請求書の処理、問い合わせ対応など、件数で数えやすい定型業務件の定義(何をもって1件か)、複雑な案件の扱い、上限、資料の遅れのときの数え方1件の重さが違うのに同じ単価になる。件の定義が曖昧だと争いになる
日額日単位で稼働日が決まる業務、立会いや常駐に近い業務稼働日の決め方、日の中の時間の範囲、中止・変更のときの扱い作業時間を細かく管理する運用になり、雇用に近い印象を与えやすい

どの単位を選ぶにしても、重要なのは「単位の定義」を書くことです。月額なら「月に対応する範囲」、件数なら「何をもって1件とするか」、時間なら「どの時間を数えるか」を、曖昧な言葉に頼らずに書きます。多くの契約書で見られる傾向として、報酬の金額は丁寧に書いてあるのに、その金額で何が買えるのか(単位の定義)が書かれていない例があります。単位の定義がないと、金額だけが確定して、中身が毎月変わっていきます。

また、複数の単位を組み合わせる形もあります。たとえば、毎月の定型業務は月額で、それを超える作業や例外の依頼は時間単価で、という二層の形です。この形は、頼む側には予算の見通しが立ち、受ける側には繁忙月の追加報酬の根拠になるという利点があります。そのとき、月額に含まれる範囲と、時間単価で追加になる範囲の境目を、業務範囲のページで説明した業務一覧の区分と対応させておくと、運用が安定します。

上限・超過・繰越・翌月処理:数え方が崩れる場面の書き方

報酬の単位を決めても、現実の月は計画どおりには進みません。数え方が崩れる典型は三つあります。作業量が上限を超えた月、作業量が少なくて余った月、そして資料の遅れなどで処理が翌月に回った月です。それぞれについて、契約書にあらかじめ書いておくと、毎月の精算の摩擦が減ります。

書き方の例(一般的な例) 上限・超過・繰越の書き方

上限を超えたとき

よくある書き方業務量が月額に含まれる範囲を超えた場合は、別途協議する。
整えた書き方業務量が別紙の月間の上限を超えるおそれがあるときは、受託者は、速やかに委託者に通知する。超える分は、委託者の書面(電子メールを含む。)による承諾を得て、別紙の追加単価により行う。承諾がないときは、受託者は、上限を超える分の作業を行う義務を負わない。

理由「別途協議」だけでは、協議が整うまでの作業の扱いが決まらない。承諾がない超過分は受けない、と書く

余った分の扱い

よくある書き方(記載なし)
整えた書き方月額に含まれる業務量に満たない月があっても、翌月への繰越および報酬の減額は行わない。ただし、委託者の責めによらず受託者が業務を行わなかった期間があるときは、その期間に相当する報酬を減額する。

理由余った分を繰り越せるかは、揉めやすい。繰越をしない場合も、受ける側の都合で行わなかった分の扱いを書く

繁閑の差

よくある書き方繁忙期も月額とする。
整えた書き方別紙に定める繁忙期(○月から○月)は、月額に含まれる業務量の上限を○割増やし、報酬は別紙のとおりとする。

理由繁閑の差がある業務は、あらかじめ繁忙期の枠を決めておく

資料の遅れで処理が翌月に回ったとき

件数や時間で数える契約で特に問題になるのが、任せる側の資料の遅れです。月末に必要な資料が届かず、その月に処理できなかった分を、翌月に処理したとき、その件数をどちらの月に数えるのかが決まっていないと、受ける側は、実際に作業をした月の報酬が低くなり、任せる側は、依頼した月に請求されなかった分が翌月に上乗せされて予算が合わなくなります。

この場面の書き方には、大きく二つの考え方があります。一つは、処理した月に数える考え方です。作業を実際に行った月の実績として数え、資料の遅れによる翌月への繰越は、その月の件数に加えます。もう一つは、依頼を受けた月に数える考え方です。依頼の受付日を基準にし、作業が翌月になっても、元の月に属するものとして精算します。どちらを選ぶかは、報酬の締め日と、資料の提出期限との関係で決まります。大切なのは、どちらかに決めて、資料の提出期限(いつまでに届いた分を当月の対象とするか)とセットで書くことです。

条文例第○条(資料の遅れによる翌月処理)

  1. 委託者は、別紙に定める資料の提出期限までに、本業務に必要な資料を受託者に提出する。
  2. 提出期限までに提出された資料にかかる業務は、当月分として処理する。提出期限の後に提出された資料にかかる業務は、翌月分として処理し、当該業務の件数は、処理した月の件数として数える。
  3. 前項の翌月処理により、受託者の作業が特定の月に集中して別紙の上限を超えるときは、前条の追加単価を適用する。資料の提出の遅れが委託者の責めに帰すべき事由によるときは、受託者は、これを理由として本業務の期限の遅れの責任を負わない。

提出期限に間に合わなかった資料の扱いを決めると、遅れの責任の問題(ミスと責任のページ)にもつながります。

成果物がある部分の検収と、請負型の雛形が残す不具合

成果物のない業務に、成果物のある業務の雛形をそのまま当てはめると、いくつかの不具合が起きます。多くの契約書で見られる傾向として、次の三点が代表的です。第一に、「納品」の条項があるのに、納品するものが定義されていないため、何を納品すれば報酬が確定するのかが分からない。第二に、「検収」の条項があるため、検収が済まないと報酬が支払われないという読み方ができ、成果物のない業務の報酬が不安定になる。第三に、「無償での修正」の条項があるため、委託者の指示の変更による作業が、すべて無償の修正として処理される。

書き方の例(一般的な例) 成果物と報酬の結び付け方

納品と検収

よくある書き方受託者は、業務の成果を納品し、委託者の検収を受ける。検収に合格した場合に報酬を支払う。
整えた書き方受託者は、別紙に成果物として定めたもの(月次の集計表など)に限り、納品して委託者の確認を受ける。確認は納品から○営業日以内に行い、期間内に連絡がないときは確認があったものとみなす。成果物以外の業務の報酬は、確認に関係なく支払う。

理由成果物のある部分だけに納品と確認の手続を置き、他の業務の報酬が確認待ちで止まらないようにする

修正

よくある書き方受託者は、委託者の請求に基づき、成果物を無償で修正する。
整えた書き方受託者は、成果物に受託者の誤りがあるときは、無償で修正する。委託者の指示の変更による修正は、別紙の追加単価により行う。

理由受ける側の誤りと、頼む側の指示の変更による修正を区別する

成果物と報酬を結び付けるときは、もう一つ、確認の期間の扱いが重要です。確認の期間を決めないと、委託者が確認しない限り報酬が確定しない状態が続きます。期間内に連絡がないときは確認があったものとみなす、という書き方が、受ける側の保護として実務でよく使われます。ただし、一方的に不利にならないよう、確認のために必要な資料や説明を受ける側が提供することも、あわせて書いておくのが公平です。

立替経費・交通費・ツール費用:誰が負担し、どう精算するか

報酬とは別に、業務を行うために費用が生じることがあります。交通費、通信費、郵送費、ツールの利用料、外部サービスの手数料などです。この費用の負担が決まっていないと、報酬の議論に紛れ込み、後で「それは報酬に含まれていると思っていた」という争いになります。費用は、種類ごとに、誰が負担するのかを決めておきます。

費用の区分と負担の決め方

区分例(一般的な例)決めること
受託者が自分の事業のために負担する費用受託者自身のパソコン、通信回線、作業場所、一般的な事務用品報酬に含まれるものとして、受託者が負担する。実費を請求しない、と書く
委託者の業務のために必要な費用委託者の取引先へ送る郵送費、委託者の業務で必要になる外部サービスの手数料委託者が負担する。事前の承諾の要否、上限、領収書などの証憑の提出、精算の時期を書く
委託者が指定するツールの費用委託者が使うよう指示した会計ソフトやチャットの有料プラン委託者が契約するか、受託者が立て替えて実費を請求するかを決める。アカウントの帰属も合わせて決める
交通費委託者の指定する場所への移動負担者、上限、事前承諾、申請の様式を決める。遠隔のみの業務なら交通費は発生しない、と書いてもよい

民法は、委任事務を処理するのに費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならないとし(民法649条)、受任者が必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後の利息の償還を請求できるとしています(同650条1項)。契約書に何も書かなくても、必要な費用は委任者の負担になり得るということです。逆にいえば、費用を受託者が負担するのなら、そのことを契約書に書いておく必要があります。立替と精算の統制、つまり誰が承認し、誰が実行するのかはお金の扱いのページで扱います。

報酬額は、消費税を含む額か含まない額かを契約書に明記しておきます。そうしておくと、あとの金額の計算で、双方の認識が食い違いにくくなります。税そのものの取扱いは、このページでは扱いません。

報酬の遅れと業務の一時停止・支払期日の定め方

報酬の支払が遅れたとき、受ける側は何ができるのでしょうか。契約書に何も書かなければ、受ける側は、遅延を理由に業務を止めてよいのかどうかが分からず、止めれば債務不履行だと言われるおそれがあり、続ければ未払が積み上がるという板挟みになります。そこで、支払の遅れに対する業務の一時停止と再開の手順を、契約書に書いておきます。

報酬の遅れから一時停止、再開まで

  1. 支払期日の経過支払期日までに報酬が支払われないとき、受託者は、委託者に対して支払を催告する。催告は書面(電子メールを含む)で行い、期限を明示する。
  2. 一時停止の予告催告の期限までに支払われないときは、受託者は、一時停止の日を予告したうえで、本業務の全部または一部を停止できる、と契約書に定めておく。
  3. 停止中の扱い停止中は、受託者は、本業務の遅れについて責任を負わない。預かっている資料やアカウントの安全管理は、停止中も継続する。
  4. 再開委託者が未払の報酬を支払ったときは、受託者は、合理的な期間内に本業務を再開する。

停止の間も、預かっている資料・アカウント・個人データの安全管理は続きます。停止と預かり物の管理は別の問題として書きます。

支払期日の定め方にも注意が必要です。個人や小規模な事業者に業務を委託する場合は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)が関係し得ます。同法では、従業員を使用する事業者(特定業務委託事業者)が個人や一人法人(特定受託事業者)に業務委託をする場合に、報酬の支払期日は、給付を受領した日(役務の提供を受ける業務委託では、役務の提供を受けた日)から起算して60日の期間内で、できる限り短い期間内に定めなければならないとされています(同法4条1項)。また、顧客から受けた事務の一部を他の事業者に委託する場合には、中小受託取引適正化法(取適法)が関係し得て、同様に、支払期日は役務の提供を受けた日から起算して60日の期間内で、できる限り短い期間内に定めなければならないとされています(同法3条1項)。

ただし、これらの法律が実際に当てはまるかは、委託の内容や当事者の規模などによって決まります。月単位の締切制度(毎月末日締め・翌月末日払い)は、公正取引委員会の運用上「受領から2か月以内」として扱われ、問題とされません(フリーランス法Q&A Q48)。翌々月の支払にすると60日の枠を超えます。取適法では、連続して提供される同種の役務について月単位の締めと算定方法を明示する場合の扱いが運用基準に別に置かれているため、フリーランス法の整理とは分けて確かめます。詳しくは関係する法律のページで整理します。契約書の側では、締め日と支払日を日付で明確に書き、「請求書の受領後○日以内」のように起算点が相手の行為に左右される書き方は避けるのが無難です。

条文例第○条(報酬の支払)

  1. 委託者は、受託者に対し、毎月末日に締め、翌月○日までに、当月分の報酬を、受託者が指定する銀行口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は、委託者の負担とする。
  2. 本契約における報酬の額は、すべて税込(または税別)の額とする。
  3. 委託者が支払期日までに報酬を支払わないときは、受託者は、書面で催告したうえ、催告の期限までに支払がないときは、本業務の全部または一部を、予告のうえ一時停止することができる。この場合、受託者は、本業務の遅れについて責任を負わない。
  4. 前項により一時停止した場合でも、受託者は、預かっている資料、アカウントおよび個人データの管理に関する義務を免れない。

「税込」「税別」のいずれかを選んで書きます。税そのものの取扱いは別の問題です。

締結前のチェックと、起きがちなこと

報酬条項のチェックリスト

  • 報酬の単位(月額・時間・件数・日額)が、業務ごとに決まっているか。
  • 単位の定義(月に対応する範囲、1件の意味、数える時間)が書かれているか。
  • 上限、超過の扱い(承諾の要否、追加単価)、余った分の繰越の有無が書かれているか。
  • 資料の遅れで処理が翌月になったときの数え方と、資料の提出期限が書かれているか。
  • 請負型の「納品・検収・無償修正」が、成果物のない業務に残っていないか。
  • 費用の区分と、負担者、事前承諾、精算の時期が書かれているか。
  • 消費税を含む額か含まない額かが明記され、締め日と支払日が日付で書かれているか。
  • 報酬の遅れに対する催告、一時停止、再開の手順が書かれているか。

起きがちなこと

  • 月額の契約で上限が書かれていないため、頼む側が作業を増やし続け、受ける側の実質的な時給が下がる。
  • 「別途協議する」とだけ書かれた超過分が、協議が整わないまま作業だけが先行し、後で報酬の争いになる。
  • 資料が月末に届いたため、翌月に処理した件数を、どちらの月に数えるかをめぐって毎月の請求書が揉める。
  • 請負型の雛形の検収条項が残り、成果物のない業務の報酬が、検収待ちを理由に支払われない。
  • 交通費やツール費用の負担が決まっておらず、受ける側が立て替えたまま精算されない。
  • 報酬が遅れても止められるかが分からず、受ける側が未払を抱えたまま作業を続ける。

報酬条項は、金額を書く条項ではなく、数え方を書く条項だと考えると整理しやすくなります。数え方が決まっていれば、金額は交渉で調整できます。数え方が決まっていなければ、金額が適正かどうかを話し合う土台がありません。終了時の報酬の清算(月の途中で終わったときの日割りなど)は、終了・引継ぎのページで続けて確認してください。

よくあるご質問

準委任の報酬は、成果物がなくても請求できますか。

請求できますが、特約があることが前提です。受任者は、特約がなければ委任者に対して報酬を請求できず(民法648条1項)、報酬を受けるべき場合でも、事務を履行した後でなければ請求できません(同条2項)。期間によって報酬を定めたときは、その期間を経過した後に請求します。契約書に、報酬の額、数え方、支払の時期を書いておくことが、請求の根拠になります。

月額の契約の途中で契約が終わったとき、報酬は日割りになりますか。

民法648条3項は、委任が履行の中途で終了したとき、既にした履行の割合に応じて報酬を請求できるとしています。月額の場合に、日割りにするのか、月額の全額とするのかは、契約書の書き方で結論が変わります。実務では、日割りの計算方法(暦日か稼働日か)と、全額とする場合の条件を、あらかじめ決めておく形が見られます。

「検収に合格したら報酬を払う」という条項は、事務代行でも使えますか。

成果物のある部分、たとえば月次の集計表などに限って使うのが適切です。成果物のない業務まで検収を条件にすると、何を検収するのかが曖昧になり、報酬が不安定になります。成果物は別紙で特定し、確認の期間を決め、期間内に連絡がないときは確認があったものとみなす、という書き方が実務ではよく使われます。

報酬の支払が遅れたら、業務を止めてもよいですか。

契約書に定めがなければ、止めてよいかどうかが争いになり得ます。そこで、催告、一時停止の予告、停止中の責任、再開の手順を契約書に書いておくのが実務的です。停止の間も、預かっている資料やアカウント、個人データの管理の義務は続くので、停止と預かり物の管理を分けて書きます。

報酬の支払期日は、法律で決まっていますか。

委託の内容や当事者の規模によります。従業員を使用する事業者が個人や一人法人に業務委託をするときは、フリーランス法が適用され、役務の提供を受けた日から起算して60日の期間内で、できる限り短い期間内に定めなければなりません(同法4条1項)。取適法の役務提供委託に当たる場合も、同様の定めがあります(同法3条1項)。毎月末日締め・翌月末日払いの月単位の締切制度は、公正取引委員会の運用上「受領から2か月以内」として扱われ、問題とされません(フリーランス法Q&A Q48)が、翌々月の支払にすると60日の枠を超えます。

あわせて読みたいページ

本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、業務の内容や預けるものの種類、当事者の事業の形によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 個人情報保護委員会 / 公正取引委員会 / 厚生労働省

アトラス行政書士法人|毎日5組限定契約書・利用規約の無料チェックお手元の書類の問題点を、行政書士が詳しく指摘します。1書類につき24時間以内に回答・お1人様3種類まで無料チェックの詳細を見る›

ご依頼の前に:対応の内容

詳しい内容を見る

バックオフィス業務の業務委託契約書の作成・見直しでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

公式LINEで無料相談する
アトラス行政書士法人 公式LINEの友だち追加QRコード
  1. 公式LINEを友だち追加
  2. 「バックオフィス・秘書・BPO代行の業務委託ガイドを見た」とメッセージを送信
  3. ご相談内容を確認し、LINEでご返信します(365日・深夜や休祭日も通常対応)

相談無料です。料金が発生するのは、お申込みいただいた書類の作成・点検だけです。

LINEで友だち追加して無料相談する

申込フォーム・お電話でもご相談いただけます。

ご依頼・納品の流れを見る